川柳つれづれblog
＊毎日の川柳作品の他、大好きなフィギュアスケートやミステリ、本、映画、その他日々の出来事をつれづれなるままに……。
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川柳タッグマッチ（１８）「美しい」
川柳仲間・徳道かづみとタッグを組んでお送りする川柳＆エッセイ「川柳タッグマッチ」。
第18回のお題は「美しい」です。
第18回のお題は「美しい」です。
◇先攻・みわ
美人薄命私百まで生きられる 美輪
私も女であるからして、ダイエット話には目がない。雑誌の特集に目を通し、サプリメントを飲んで、部分痩せに効くという体操に励む。ま、たいてい三日坊主で終わるけどね。
その一方で、食べ物の誘惑には滅法弱い。特にスナックの類は大好きで、気がつくとポテトチップを一袋空けていた、なんてこともしばしば。いくら普段の食事を制限したところで、これでは全く意味がない。そうして体重計の目盛りを見ては「あーあ」とため息吐息。一キロ太るのは簡単なのに、痩せるのは至難の業である。
痩せている方が美しいというのは、女の幻想に過ぎない、と男たちは言う。痩せすぎよりむしろぽっちゃり体型の方が、健康的でいい、と。しかしそういう男に限って「好きなタイプは伊東美咲」なんて言ったりするんだから、あてにならないったらありゃしない。
かくして今日も私は、体重計とにらめっこして、少ないワードローブの中から少しでも細く美しく見える服を選ぶのである。
美しくなろう私はあひるの子 美輪
◇後攻・かづみ
騙すなら美しくあれ人造花 かづみ
四人掛けのソファだった。私を含めた女ばかりが席を埋めていた。場所が何処だったかの記憶は定かではない。ただ、ある瞬間に向けられた視線を鮮やかに覚えている。「ああ、この子に憎まれているんだ」と気付かずにはいられない瞳だった。
根が小心者なので、無益な争いは避けるタチだ。ヤバそうな空気が生まれるとさっさと抜け出ることを考える。ま、歳を重ねるにつれ、要らん喧嘩を買ってはキーキー喚くことも増えてきたが、基本的に「和を以って尊しとなす」がモットーだ。
激しく憎むことも激しく憎まれることも、ほとんどない（と思う）。私の存在を目障りと思っている人もいるだろうが、それを剥き出さぬようにするのが大人というものだ。
だから余計に印象に残っているのだろう。その子の瞳はどこまでも透き通り、茶色い宝石のようだった。そして、そこには私しか映っていなかった。純粋な感情は美しく結晶する。それが「憎しみ」であったとしても。
あれほど美しく見つめられた経験はその後無い。
美しきものに数える憎悪の瞳 かづみ
美人薄命私百まで生きられる 美輪
私も女であるからして、ダイエット話には目がない。雑誌の特集に目を通し、サプリメントを飲んで、部分痩せに効くという体操に励む。ま、たいてい三日坊主で終わるけどね。
その一方で、食べ物の誘惑には滅法弱い。特にスナックの類は大好きで、気がつくとポテトチップを一袋空けていた、なんてこともしばしば。いくら普段の食事を制限したところで、これでは全く意味がない。そうして体重計の目盛りを見ては「あーあ」とため息吐息。一キロ太るのは簡単なのに、痩せるのは至難の業である。
痩せている方が美しいというのは、女の幻想に過ぎない、と男たちは言う。痩せすぎよりむしろぽっちゃり体型の方が、健康的でいい、と。しかしそういう男に限って「好きなタイプは伊東美咲」なんて言ったりするんだから、あてにならないったらありゃしない。
かくして今日も私は、体重計とにらめっこして、少ないワードローブの中から少しでも細く美しく見える服を選ぶのである。
美しくなろう私はあひるの子 美輪
◇後攻・かづみ
騙すなら美しくあれ人造花 かづみ
四人掛けのソファだった。私を含めた女ばかりが席を埋めていた。場所が何処だったかの記憶は定かではない。ただ、ある瞬間に向けられた視線を鮮やかに覚えている。「ああ、この子に憎まれているんだ」と気付かずにはいられない瞳だった。
根が小心者なので、無益な争いは避けるタチだ。ヤバそうな空気が生まれるとさっさと抜け出ることを考える。ま、歳を重ねるにつれ、要らん喧嘩を買ってはキーキー喚くことも増えてきたが、基本的に「和を以って尊しとなす」がモットーだ。
激しく憎むことも激しく憎まれることも、ほとんどない（と思う）。私の存在を目障りと思っている人もいるだろうが、それを剥き出さぬようにするのが大人というものだ。
だから余計に印象に残っているのだろう。その子の瞳はどこまでも透き通り、茶色い宝石のようだった。そして、そこには私しか映っていなかった。純粋な感情は美しく結晶する。それが「憎しみ」であったとしても。
あれほど美しく見つめられた経験はその後無い。
美しきものに数える憎悪の瞳 かづみ
（神戸新聞夕刊 2006年3月15日掲載）
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プロフィール
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美輪＠brownycat
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性別：
女性
自己紹介：
1995年阪神淡路大震災に遭う。同年、時実新子に出合い川柳をはじめる。
「川柳大学」元会員、旧公式ＨＰ管理人。
「ゆうゆう夢工房」会員。
雑誌「現代川柳」編集長。
KCC（神戸新聞文化センター）川柳教室講師、朝日カルチャー芦屋教室川柳講師。
2006年8月より神戸新聞川柳壇選者。
2007年秋よりコープこうべ通信講座川柳教室講師。
2009年4月より甲南カルチャーセンター川柳教室講師。
＊神戸新聞2008/1/1～7掲載「源氏物語千年紀 川柳作家とゆく須磨・明石」はこちら
＊大ちゃんのリンクを守ろう！詳しくはこちら
＊リンクの再開・存続が決定しました。
＊大阪のリンクを守ろう！ 詳しくはこちら
＊存続が決定しました。今後ともご支援ご協力お願いいたします。
＊ここに掲載している川柳作品・文章はすべて私のオリジナルです。著作権法に基づき、無断転載ならびに無断引用は固くお断りいたします。
＊コメントはどうぞ御自由に。トラックバックは仕様により現在は受け付けられなくなっております。
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＊エラリー･クイーン最後の作品、というよりは作品のための梗概「間違いの悲劇」。これが完成した姿を見たかったですねえ……。ほかにもクイーン検察局シリーズとか、パズルクラブシリーズなどが載っていて、なかなか楽しいです♪
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おさないころ、父と一緒に散歩をしていたときのこと。道ばたに咲いている花をみつけ摘もうとしたわたしに、父は「そのまましておいてあげなさい」といったのです。
そのときは、父のいった言葉の本意がわからず、じぶんの行動をとがめられたようで、なにかすっきりしない思いがのこりました。
いまも、花が好きで、切り花をよくテーブルに飾ったりするのですが、その美しさを褒めてあげている一方、こころの中で（ごめんなさい）とつぶやいているわたしもいたりします。
あの日があったからでしょうか。
野の花と観賞用の花とでは一概にくらべられないけれど、ときに、これは人間のわがままなのかな、と思うようなことも…
Commented on 2007/02/01 Thursday 10:48:40
by さえら | コメント編集
「やはり野に置け」といいますよね。
でも、見向きもされずに放っておかれるより、手に取られることも花にとっては幸せだったりするかも……。
美しく見えた隣の薔薇の花 美輪
Responsed on 2007/02/01 Thursday 18:06:16
by 美輪＠brownycat＠管理者
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