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川柳つれづれblog

*毎日の川柳作品の他、大好きなフィギュアスケートやミステリ、本、映画、その他日々の出来事をつれづれなるままに……。

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川柳タッグマッチ(17)「卒業」

毎週月~金、川柳仲間・徳道かづみとタッグを組んでお送りする川柳&エッセイ「川柳タッグマッチ」。
第17回のお題は「卒業」。……はい、そうです。掲載されたのが三月でしたので……。
1月に卒業とはいささか時期外れですが、少し気の早い卒業式も私学などはあるようですし……ま、そんなことでお許しを。
◇先攻・かづみ

ひとつピリオド そして始まる物語 かづみ
「卒業式」の雰囲気が好きだった。卒業する先輩の制服のボタンをもらうという風習が盛んだった頃だ。私のいた中学ではボタンよりも「名札」の方が格(?)が上だった。
人気は特定の人たちに集中する。「競争の激しいA先輩よりもB先輩の方がもらえるのでは?」などと、事前に友達と作戦会議を行ったりもした。
当時私が好きだった先輩は地味な人だった。競争相手は恐らくゼロだっただろう。友達にも「絶対くれるよ」と保証された。だが、その名札をもらうことは出来なかった。私に告白する勇気がなかったのだ。当日傍まで行きながら、結局踵を返して走り去った。純情だった自分が懐かしい。
 反面「卒業式」に違和感も持っていた。何故学校を出て行くために儀式をせねばならんのか、と。これは私が転校を重ねていたせいかもしれない。
出逢った時から別れの瞬間は予約されている。人も場所も“通過点”。大切なのは“どう関わって過ごしたか”だ。「卒業式」はそのオマケの一日に過ぎない、と思っている。
駆け出した 卒業証書など捨てて かづみ

◇後攻・みわ

卒業の季節にぶらんこが揺れる 美輪
 春、三月。この季節になると、卒業にちなんだ歌が必ず流行る。旅立ちとか別れとかさよならとか、涙を誘う歌の数々。しかし私は、卒業式で泣いた事はない。小学校の時はみんな同じ中学に進学したし、寂しいなんて感じなかったのだ。
 中学から高校に進む時も、泣いたりしなかった。泣いているクラスの女の子たちを横目で見ながら、一人しらっとして卒業の日を過ごす。流行りの歌を口ずさみつつも、ことさらに涙を強要するような歌詞に、そらぞらしさを感じていた。
 高校の時はさすがに寂しさを感じてはいたが、やはり私は泣かなかった。泣くのが恥ずかしくて、強がっていたのだ。どうせみんなこの町にいるんだ。帰ったらいつでも、きっとまた会える。
昨年、同級生が病気でこの世を去った。事故や自殺で亡くなった子もいる。結局卒業してから、一度も会わないままに。
 あの日あの時、強がらずに、ちゃんと泣いておけばよかった。今日もテレビから、卒業ソングが流れてくる。
 三月のさよならだけの恋である 美輪

(神戸新聞夕刊 2006年3月8日掲載)

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Re:川柳タッグマッチ(17)「卒業」
こんばんは
卒業式はもうご縁はなくなり、あとはせいぜい自分の人生の卒業式(おいおい、自分は主役だが出席できないぞ)くらいなのでしょうが、小学校の卒業式は思い出があまり無いような。
中学校は淡い恋の思い出と女子の誰が泣くかのトトカルチョをやっていた思い出があるだけ。
高校は一番さめていたけど、成績トップだったので学科代表になれたのに譲ってしまったことなんか思い出して・・・
大学はなんせ3000人もいたので、何が何やらわからずでした。
でも、卒業してもサークルの仲間とは今でも何かに託けては酒飲む時の結束だけは堅い。
先日も新年会をやりましたが、あと30年もすれば順番に人生を卒業していくのかなと思ったりしました。

酒飲みのえにし未だにたゆるなく えっくす な〜んてね

Commented on 2007/01/30 Tuesday 21:55:39

by えっくす | コメント編集

Re:Re:川柳タッグマッチ(17)「卒業」
>えっくすさん

>あとはせいぜい自分の人生の卒業式(おいおい、自分は主役だが出席できないぞ)くらいなのでしょうが

おっとっと(^_^;)。ちょっとそれは気が早すぎません?
私は数年間だけど教師をやっていたので、毎年卒業式には縁がありました(笑)。しかしやはり泣かなかったなあ……。それなりに胸に迫るものはありましたが。

>でも、卒業してもサークルの仲間とは今でも何かに託けては酒飲む時の結束だけは堅い。

わははは。大学の仲間ってそうですよね~。
私は遠隔地(静岡)の大学に行って遠隔地(神戸)に来てしまったので、ほとんどあの頃の仲間と会うことはなくなってしまいましたが、それでも多分、「同窓会やるよ~おいで」と言われたら、ほいほい静岡だろーが東京だろーが行ってしまう気がします。

 乾杯乾杯 今だけは二十代 美輪

Responsed on 2007/01/30 Tuesday 22:06:09

by 美輪@brownycat@管理者

Re:川柳タッグマッチ(17)「卒業」
人生の卒業式はもちろん、ゆっくりと主役になるつもりです。
大学の仲間は風貌も変わっているのでしょうが、変わった感じが全くなく、相変わらず話題が濃い・・・
その時だけは世の中のイヤなこと(ポエム以外・・・?)忘れて楽しめます。
みんなそれぞれの人生生きてますね。
でも、大学時代のあの日々はかけがえのない日々です。

Commented on 2007/01/30 Tuesday 22:18:21

by えっくす | コメント編集

Re:Re:川柳タッグマッチ(17)「卒業」
>えっくすさん

>人生の卒業式はもちろん、ゆっくりと主役になるつもりです。

さだまさしの歌にありましたね。
「あなたは教えてくれた 小さな物語でも
 自分の人生の中では 誰もが皆主人公」
スケーターたちも、ファンも、そうでない人々も、
みんな人それぞれいろいろな物語を生きているんですよね。

私も昔の仲間と会ったら、きっとお互いまるで風貌が違うと思うでしょうね。
でも話し始めたら、きっとすぐに二十歳のころに戻ってしまう。そういう仲間って、いいですよね(*^_^*)。

Responsed on 2007/01/30 Tuesday 22:27:27

by 美輪@brownycat@管理者

勝手に参戦
キミからの卒業は罪 浅い春 (さえら)

わたしも、なぜか卒業式には思いいれがなかったような気がします。
いずれにしても、高校は同性ばかりの学校だったし…
おぼえていることといえば、ちょっと間違ってしまったコが「先輩!」なんて、じぶんが持ってきた花と交換に、わたしのリボンを持っていってしまったことくらいでしょうか。

Commented on 2007/01/31 Wednesday 20:06:40

by さえら | コメント編集

Re:勝手に参戦
>さえらさん

勘違いした後輩(^_^;)いるもんですね。
でもまあ、それもほほ笑ましいというか、若い時代ならでは、という感じですね。
私が教師だった学校も当初は女子校でしたので、こんな句を書いて卒業生に贈りました。
 Girls, be 大志などよい健やかに 美輪
みんな元気にしてるかなあ。私のこと思い出してくれることあるかな、なんて思ったりしてます。

Responsed on 2007/01/31 Wednesday 21:20:29

by 美輪@brownycat@管理者

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プロフィール
HN:
美輪@brownycat
性別:
女性
自己紹介:
1995年阪神淡路大震災に遭う。同年、時実新子に出合い川柳をはじめる。
「川柳大学」元会員、旧公式HP管理人。
ゆうゆう夢工房」会員。
雑誌「現代川柳」編集長。
KCC(神戸新聞文化センター)川柳教室講師、朝日カルチャー芦屋教室川柳講師。
2006年8月より神戸新聞川柳壇選者。
2007年秋よりコープこうべ通信講座川柳教室講師。
2009年4月より甲南カルチャーセンター川柳教室講師。

*神戸新聞2008/1/1~7掲載「源氏物語千年紀 川柳作家とゆく須磨・明石」はこちら

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