川柳つれづれblog
＊毎日の川柳作品の他、大好きなフィギュアスケートやミステリ、本、映画、その他日々の出来事をつれづれなるままに……。
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川柳タッグマッチ（１１）「闘う」
川柳仲間・徳道かづみとタッグを組んでお送りする川柳＆エッセイ「川柳タッグマッチ」。
第11回のお題は「闘う」です。
第11回のお題は「闘う」です。
◇先攻・かづみ
あたし負け犬闘うことを止めぬ犬 かづみ
闘わなければ負けることも出来ない、と知ったのは十歳の時だ。私が住んでいた地区でソフトボールチームを作っていた。参加できるのは小学四年生から六年生。運動が苦手だった私は、四年生の時には参加しなかった。
だが、試合を見に行き後悔した。試合が不利になった焦りも勝利した時の喜びも、他人事だった。スタンドから見るグラウンドは遥かに遠かった。
翌年は迷わずに申し込んだ。練習で吐きそうなほど走り、ボールで体中に青痣を作った。そして臨んだ市の大会は二回戦で負けた。悔しくて、泣いた。でも、その悔し涙は“私のもの”だった。
近藤真彦が昨年十二月に七年ぶりの新曲を発売した。タイトルは「挑戦者」。中年の男がボクサーを目指し、最後に打ちのめされるという内容だ。
理由なんて
探す暇あるなら
右の拳を
もう一度打ち抜け
闘うことは時に無様だ。負け姿を晒すのは惨めなことだろう。けれど、懲りずにパンチを繰り出す拳は失いたくないと思う。
闘わぬ者には見えぬ空の青 かづみ
◇後攻・みわ
この恋に敗者復活戦はない 美輪
私は血を見るのが嫌いな平和主義者である。従って格闘技のたぐいはどうにも好きになれない。しかしなぜか見る番組がないと、ボクシングや総合格闘技の試合などを見ていたりする。選手の名前やら経歴などはほとんど覚えられないが、試合を見てそれなりに楽しんでいる。ま、いい加減なもんです。
時々「ボクシングみたいにポカッと相手を殴ったらどんなに気持ちが良いだろう」と思うことがある。もちろん、ボクサーやプロの格闘家は、ケンカで相手を殴り倒したりはしないだろう。下手をすれば相手を殺してしまいかねないのだから。
夢の中で、時々私は誰かを思いきり殴っている。殴る、蹴る、ひっぱたく。目が覚めても、掌に感触が残っているほどリアルな夢。その人物の顔ははっきりわからない。ただ確かなのは、その相手をひたすら憎み、殺してやりたいとすら思っているということだけだ。
私の思いきり殴りたい相手。殺してしまいたいほど憎い相手。それは他でもない私自身なのかもしれない。
戦闘の準備ごはんが炊けました 美輪
あたし負け犬闘うことを止めぬ犬 かづみ
闘わなければ負けることも出来ない、と知ったのは十歳の時だ。私が住んでいた地区でソフトボールチームを作っていた。参加できるのは小学四年生から六年生。運動が苦手だった私は、四年生の時には参加しなかった。
だが、試合を見に行き後悔した。試合が不利になった焦りも勝利した時の喜びも、他人事だった。スタンドから見るグラウンドは遥かに遠かった。
翌年は迷わずに申し込んだ。練習で吐きそうなほど走り、ボールで体中に青痣を作った。そして臨んだ市の大会は二回戦で負けた。悔しくて、泣いた。でも、その悔し涙は“私のもの”だった。
近藤真彦が昨年十二月に七年ぶりの新曲を発売した。タイトルは「挑戦者」。中年の男がボクサーを目指し、最後に打ちのめされるという内容だ。
理由なんて
探す暇あるなら
右の拳を
もう一度打ち抜け
闘うことは時に無様だ。負け姿を晒すのは惨めなことだろう。けれど、懲りずにパンチを繰り出す拳は失いたくないと思う。
闘わぬ者には見えぬ空の青 かづみ
◇後攻・みわ
この恋に敗者復活戦はない 美輪
私は血を見るのが嫌いな平和主義者である。従って格闘技のたぐいはどうにも好きになれない。しかしなぜか見る番組がないと、ボクシングや総合格闘技の試合などを見ていたりする。選手の名前やら経歴などはほとんど覚えられないが、試合を見てそれなりに楽しんでいる。ま、いい加減なもんです。
時々「ボクシングみたいにポカッと相手を殴ったらどんなに気持ちが良いだろう」と思うことがある。もちろん、ボクサーやプロの格闘家は、ケンカで相手を殴り倒したりはしないだろう。下手をすれば相手を殺してしまいかねないのだから。
夢の中で、時々私は誰かを思いきり殴っている。殴る、蹴る、ひっぱたく。目が覚めても、掌に感触が残っているほどリアルな夢。その人物の顔ははっきりわからない。ただ確かなのは、その相手をひたすら憎み、殺してやりたいとすら思っているということだけだ。
私の思いきり殴りたい相手。殺してしまいたいほど憎い相手。それは他でもない私自身なのかもしれない。
戦闘の準備ごはんが炊けました 美輪
（神戸新聞夕刊2006年1月11日掲載）
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プロフィール
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美輪＠brownycat
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性別：
女性
自己紹介：
1995年阪神淡路大震災に遭う。同年、時実新子に出合い川柳をはじめる。
「川柳大学」元会員、旧公式ＨＰ管理人。
「ゆうゆう夢工房」会員。
雑誌「現代川柳」編集長。
KCC（神戸新聞文化センター）川柳教室講師、朝日カルチャー芦屋教室川柳講師。
2006年8月より神戸新聞川柳壇選者。
2007年秋よりコープこうべ通信講座川柳教室講師。
2009年4月より甲南カルチャーセンター川柳教室講師。
＊神戸新聞2008/1/1～7掲載「源氏物語千年紀 川柳作家とゆく須磨・明石」はこちら
＊大ちゃんのリンクを守ろう！詳しくはこちら
＊リンクの再開・存続が決定しました。
＊大阪のリンクを守ろう！ 詳しくはこちら
＊存続が決定しました。今後ともご支援ご協力お願いいたします。
＊ここに掲載している川柳作品・文章はすべて私のオリジナルです。著作権法に基づき、無断転載ならびに無断引用は固くお断りいたします。
＊コメントはどうぞ御自由に。トラックバックは仕様により現在は受け付けられなくなっております。
＊コメント書き込み後にリロードされますと、投稿がダブってしまいますのでご注意ください。コメントを読みたい方は、お手数ですがいったんブラウザを閉じるか、トップページに戻ってから改めて記事の「Comment」をクリックしてください。
＊コメントの削除は管理人以外できません。削除ご希望は管理人にお申し出ください。
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お仲間のかづみさんという方、今になってマッチのファンになったというのは何がきっかけだったのでしょう。一度聞いてみたいですね。
Commented on 2007/01/24 Wednesday 19:48:06
by sergei | コメント編集
ＴＢ＆コメントありがとうございました(^o^)丿。「タッグマッチ」にＴＢいただくのは珍しいので、嬉しいです（笑）。
>ＴＢさせていただいたことをコメントしようと思っていたら早速のＴＢ返し、ありがとうございました。欧州選手権でお忙しいのにすみませんでした。いつも美輪さん秒殺の早技ですね。^ ^
いえいえ、まだ男子ＳＰ始まる前でしたので。これが始まっていたら、ちょっとお返しが遅くなったと思います……（笑）。
>お仲間のかづみさんという方、今になってマッチのファンになったというのは何がきっかけだったのでしょう。
私もすごーく疑問なんですよ。何でも、一昨年のバレンタイン前に、高熱を押して会社用の義理チョコを女子社員を代表して買いに行ったそうで。その時、何でだか頭の中にマッチの歌が流れ続けていたとか……（なんやそれ）。それですぐ中古レコード店に行って一枚のアルバムを買って、そのままハマってしまったそうです。
……何度聞いてもどーゆーことかよくわかりませんが、恋に落ちるときなんて、そんなものなんでしょうね～（＾◇＾）。
Responsed on 2007/01/24 Wednesday 19:58:09
by 美輪＠brownycat＠管理者
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