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川柳つれづれblog

*毎日の川柳作品の他、大好きなフィギュアスケートやミステリ、本、映画、その他日々の出来事をつれづれなるままに……。

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川柳タッグマッチ(20)「桜」

川柳仲間・徳道かづみとタッグを組んでお送りする川柳&エッセイ「川柳タッグマッチ」。
第20回のお題は「桜」。……そう、掲載されたのは4月のことでした。
いいじゃん!暖冬だし、早く桜の咲いた地方もあるわい!……と思っていたら、今日は小雪ちらつくこの冬一番の寒波がやってきました……(^_^;)。
それでは、少し気の早い桜ということで、どうぞ……。
◇先攻・みわ

 どこまでもさくらさくらでやりきれぬ 美輪
実家の近くの川沿いには、桜の木がずらっと植えられている。四月初めのこの季節には、夙川や武庫川沿い同様、散歩しがてら花見ができる。
桜を見ていると不思議に思う。なぜ日本人はこんなにも桜が好きなのだろう。桜前線だ何だと開花を待ち侘び、咲いたらどこもかしこも宴会宴会(これは本当に花を見てるのかどうか、かなり怪しいけど)。そしていつまで花が保つかと、風や雨で散るのを心配する。
 兼好法師は「桜は花盛りをだけ見るものではない」なんてひねくれたことを言っているが、何のことはない。「花のない時に恋しく思ったり、部屋の中で美しい花を想像するのもまたよろしい」と、結局は桜が好きで好きでしょうがないのだ。
桜の下には死体があると言ったのは梶井基次郎だったか。あれも鬱蒼(うっそう)と咲き匂う桜があまりに美しすぎるが故の幻想だった。やはり桜の美しさには、日本人の心を揺さぶる何かがあるようだ。
 ま、私は「花より団子」、いや「花よりビール」のクチですがね。
七重八重桜は匂う花なりき 美輪

◇後攻・かづみ

桜雨信じきれない嘘がある かづみ
 桜という花は誠実だ。「春になれば咲く」という約束を守り、あっという間に散ってゆく。
十代から二十代にかけて「青春」と呼ばれる人生の季節がある。その時期「真面目に働くなんて…」と嘯く仲間と毎晩のように飲んで騒いでいた。
やがて一人ずつその「青春」から離れた。私も午後に起き出す生活から、朝八時にスーツを着て出勤するようになった。
 だが、いつまでもその「青春」に留まっていた男の子がいた。何ひとつ現実的な行動を伴わないのに、大言壮語を吐く。明らかに嘘だとわかる彼の言葉を、私たちは楽しんでいた。彼の嘘を“かつては自分たちも咲かせていた桜”と懐かしんでいたのかもしれない。
 ロクに働かぬままいた彼は多重債務に陥っていたことが発覚して姿を消した。仲間たちにも借金を重ねていたが、誰もが「しょうがねえな」という目をして笑った。笑うしか出来なかった。
 春が終われば桜は散る。
その残酷な誠実さが、桜の美しさを増しているのだ、と思う。
 花吹雪みんなあなたが好きだった かづみ

(神戸新聞夕刊 2006年4月5日掲載)

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Re:川柳タッグマッチ(20)「桜」
満開の桜の下で、盃にお酒をついで、その中に花びらが舞い降りてくるのをじ〜っと待っていたりするのは、やっぱり私だけか・・・

今回のタッグマッチもお見事でした。

Commented on 2007/02/02 Friday 22:11:14

by adman | コメント編集

Re:Re:川柳タッグマッチ(20)「桜」
>admanさん

>満開の桜の下で、盃にお酒をついで、その中に花びらが舞い降りてくるのをじ〜っと待っていたりするのは、やっぱり私だけか・・・

ははは。いえいえ、私もそのクチです(笑)。
「花よりビール」、気の置けない仲間と飲む花見酒は何よりおいしい。

Responsed on 2007/02/03 Saturday 04:50:31

by 美輪@brownycat@管理者

ちょっと遅れて、勝手に参戦
貫かれ遠くどこかで桜散る (さえら)

ん〜ん、それは「咲く」というより「散る」感じ。
それまでイメージしていたのとは違ったけれど、じぶんとしては、だいじに迎えた“そのとき”でした。

第21回のお題「新しい」は、パスかな…? ^^

Commented on 2007/02/06 Tuesday 10:54:28

by さえら | コメント編集

Re:ちょっと遅れて、勝手に参戦
>さえらさん

>それは「咲く」というより「散る」感じ。
>それまでイメージしていたのとは違ったけれど、じぶんとしては、だいじに迎えた“そのとき”でした。

たしかにそうかも。
女というのは、恋愛というのは厄介なものです……。
はかなくて、せつなくて、苦しくて。でも、だからこそ大事にしたいですね。

ちなみに新子先生の句に「愛咬(あいこう)やはるかはるかにさくらちる」という句があります(^_^)。

Responsed on 2007/02/06 Tuesday 18:45:17

by 美輪@brownycat@管理者

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プロフィール
HN:
美輪@brownycat
性別:
女性
自己紹介:
1995年阪神淡路大震災に遭う。同年、時実新子に出合い川柳をはじめる。
「川柳大学」元会員、旧公式HP管理人。
ゆうゆう夢工房」会員。
雑誌「現代川柳」編集長。
KCC(神戸新聞文化センター)川柳教室講師、朝日カルチャー芦屋教室川柳講師。
2006年8月より神戸新聞川柳壇選者。
2007年秋よりコープこうべ通信講座川柳教室講師。
2009年4月より甲南カルチャーセンター川柳教室講師。

*神戸新聞2008/1/1~7掲載「源氏物語千年紀 川柳作家とゆく須磨・明石」はこちら

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