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川柳つれづれblog

*毎日の川柳作品の他、大好きなフィギュアスケートやミステリ、本、映画、その他日々の出来事をつれづれなるままに……。

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川柳タッグマッチ(37)「抱く」

川柳仲間・徳道かづみとタッグを組んでお送りする川柳&エッセイ「川柳タッグマッチ」。
第37回のお題は「抱く」です。

実はこの題、かづみが出したんだけど、一見ドキッとする題ですよね~。
しかし二人とも出来上がった文章を見ると、実に色気がないことこの上ない(笑)。なんでこういう題を出したんだか。またなんでこういう題で、二人揃ってこういう文章になるんだかねえ……。
ま、どんな内容になったかは、読んでみてのお楽しみ……。
◇先攻・かづみ

君が抱く女で君の価値を知る かづみ
 友人の子供の誕生会に招かれた。十歳と八歳の男の子二人を同時に祝う会だ。地区会館の一室を借りたパーティー会場には、二人の友達が四十人以上集まっていた。
 その中で興味を引いたのは、この年代の男子たちがかなりの頻度でスキンシップを行う、ということだった。女子が何処に行くにも手を繋ぐというのは自分の体験でも知っていた。だが、男子でも誰かが顔を見せれば抱きついて歓迎し、ゲームに勝っては抱き合って喜ぶ。拒否されることなど考えもせず身体ごとぶつけ合って感情を表す彼らに、私が忘れていた純粋な気持ちを教えられた。
 友達と手を繋いで歩かなくなったのは何歳の頃だっただろう。誰かに触れることに意味を持たせ始めたのは何時からだったか。
 女も三十歳も超えると単純なことでは誰かに抱きつけなくなる。自分の膝を抱えて蹲る時、自分で自分を抱いているつもりでいたが、かつて抱き締めてもらった記憶を再現しているだけなのかもしれない。
膝を抱く地球を尻に敷きながら かづみ

◇後攻・みわ

根元から折れた男を抱き起こす 美輪
 実家で最初に飼った猫は、懐かない猫だった。人見知りが強く抱っこされるのが嫌いで、人間の気配がすると逃げ回っていた。
 その子供である二代目は、母猫と顔はそっくりだったが、とても人懐こかった。誰にでも甘えて膝に乗ってくる。抱き上げてのどを撫でてやりながら、同じ猫でも違うものだと思ったものだ。
 三番目に家に来た猫は、一番「猫らしい猫」だった。気が向くと傍に来たり膝に乗ったりするが、無理に抱き上げると細い爪と鋭い牙で抵抗する。おかげで私たちは、いつもあちこちミミズバレを作っていた。
 しかしそれなりに家族の者のことは好いていたらしい。滅多に会わない私でも、やはり滅多に来ない姉一家でも、呼びかけると返事をした。幼かった姪が抱っこしようと近づくと、逃げ回りながらも追いかけられるのをどこか楽しみにしていたような気がする。
 ま、これは人間の勝手な思い込みで、当の猫には迷惑な話だったかも知れないけどね。
抱き上げた猫の迷惑そうな顔 美輪

(神戸新聞夕刊 2006年9月13日掲載)

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Re:川柳タッグマッチ(37)「抱く」
猫の顔が目に浮かびました〜

あと、川柳の講演、がんばってください。
できれば、聴講に行きたいのですが、
私は富山県に住んでるもので・・・
日本海に面した街の片隅から、
エールを送ります。



Commented on 2007/02/28 Wednesday 14:20:19

by adman | コメント編集

Re:Re:川柳タッグマッチ(37)「抱く」
>admanさん

>猫の顔が目に浮かびました〜

ありがとうございます~(^◇^)そういっていただけると何より。

>川柳の講演
>日本海に面した街の片隅から、
>エールを送ります。

こちらも応援ありがとうございますm(__)m。
皆々様のエールを背に(プレッシャーにならない程度に)背負いつつ、頑張りま~す(^^ゞ
>
>
>

Responsed on 2007/02/28 Wednesday 18:00:58

by 美輪@brownycat@管理者

横から参戦
はじめまして。通りすがりのものでございます。

「家に来た猫」というのがちょっと気になります。何やら隠れたドラマを感じさせるような・・・
帰り道篠つく雨に抱いた猫

Commented on 2007/03/01 Thursday 22:52:40

by すがりこ | コメント編集

Re:横から参戦
>すがりこさん

いらっしゃいませ~ようこそ!(^o^)丿

>「家に来た猫」というのがちょっと気になります。何やら隠れたドラマを感じさせるような・・・
>帰り道篠つく雨に抱いた猫

えーと、私は基本的に「猫は自分で飼い主を選ぶ」と思っております。相性が合う飼い主を本能的に嗅ぎ分けてるんじゃないかと。そういうわけで「連れて来た」とか「もらった」とかいうのではなく、「猫のほうが私の家を選んでやって来た」ような気が……。
 立ち入るな猫には猫のわけがある 美輪

Responsed on 2007/03/01 Thursday 22:59:49

by 美輪@brownycat@管理者

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プロフィール
HN:
美輪@brownycat
性別:
女性
自己紹介:
1995年阪神淡路大震災に遭う。同年、時実新子に出合い川柳をはじめる。
「川柳大学」元会員、旧公式HP管理人。
ゆうゆう夢工房」会員。
雑誌「現代川柳」編集長。
KCC(神戸新聞文化センター)川柳教室講師、朝日カルチャー芦屋教室川柳講師。
2006年8月より神戸新聞川柳壇選者。
2007年秋よりコープこうべ通信講座川柳教室講師。
2009年4月より甲南カルチャーセンター川柳教室講師。

*神戸新聞2008/1/1~7掲載「源氏物語千年紀 川柳作家とゆく須磨・明石」はこちら

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