川柳つれづれblog
＊毎日の川柳作品の他、大好きなフィギュアスケートやミステリ、本、映画、その他日々の出来事をつれづれなるままに……。
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川柳タッグマッチ（３２）「ひまわり」
川柳仲間・徳道かづみとタッグを組んでお送りする川柳＆エッセイ「川柳タッグマッチ」。
第32回のお題は「ひまわり」……ええ、新聞掲載が真夏でしたので……。
しかし今年は暖冬のせいで、すでにあちらこちらで夏の花が咲いちゃってるみたいですね。これも地球温暖化ということでしょうか……なんてね。それはさておき、まだまだ寒い今日この頃ですが、気分だけ真夏をお楽しみくださいませ。
第32回のお題は「ひまわり」……ええ、新聞掲載が真夏でしたので……。
しかし今年は暖冬のせいで、すでにあちらこちらで夏の花が咲いちゃってるみたいですね。これも地球温暖化ということでしょうか……なんてね。それはさておき、まだまだ寒い今日この頃ですが、気分だけ真夏をお楽しみくださいませ。
◇先攻・みわ
さよならの手前にひまわりが咲くよ 美輪
ひまわりの季節がやってきた。さんさんと輝く太陽の下、ひときわ目立つ黄色の花。ぎらぎらと照り付ける陽射しに、これほど似合う花はない。
漢字で「向日葵」、英語でもsun flower。やっぱりひまわりは太陽の花だ。しかしよく見ると、花そのものは太陽を見上げてはいない。種のびっしり詰まった顔を、少しうつむき加減にしている。
すっくと伸びた茎に、手を広げたような大きな葉。ひまわりの立ち姿は人間を連想させる。佐用町にはひまわりの迷路があるそうだ。延々と広がるひまわり畑、右も左もどこを見ても一面のひまわり。あまりたくさんのひまわりに囲まれたら、私はちょっと怖いな。
そういえば子供の頃、ひまわりと背くらべしたっけ。双葉の頃は小さいのに、あっという間に追い越されて悔しい思いをしたものだ。最近花屋さんの店先には、花束サイズのものが並んでるけど、あんなにちっちゃいのはひまわりって気がしない。やっぱりひまわりは、見上げるくらい背が高くなくっちゃね。
ひまわりの黄色が今日は許せない 美輪
◇後攻・かづみ
ひまわりの黄色 愛したかった人 かづみ
ひまわりには迷いがない。
例えば絵に描く時、数多くある花の中でも描きやすさはダントツだろう。丸の中に網の目を描き、周囲に花びらをあしらえば誰が描いてもひまわりに見える。色は黄色。チューリップのように赤白黄色…と迷う必要がない。
そして季節は、夏。明るく元気な人を「ひまわりのような」と形容することがある。照りつける太陽に負けず咲き誇ることは、元気でなければ出来ない業だろう。
私はひまわりが苦手だ。ひまわりの臆面のない明るさを見ると何故か照れくさい。ずっと見ていると、元気をもらうどころか、吸い取られている気にすらなる。明るく元気であることは良いことだ。だが、あまりにも明確な価値観に満ちていて、ひねくれ者の私には辛いのかもしれない。
夏の暑さが薄れる頃、ひまわりもその役割を終える。桜のようにハラハラと散るわけではない。咲いていたままの顔でがっくりとうなだれる。その時になってようやく親近感を覚えるのだ。
号泣の果ての笑顔かひまわりよ かづみ
さよならの手前にひまわりが咲くよ 美輪
ひまわりの季節がやってきた。さんさんと輝く太陽の下、ひときわ目立つ黄色の花。ぎらぎらと照り付ける陽射しに、これほど似合う花はない。
漢字で「向日葵」、英語でもsun flower。やっぱりひまわりは太陽の花だ。しかしよく見ると、花そのものは太陽を見上げてはいない。種のびっしり詰まった顔を、少しうつむき加減にしている。
すっくと伸びた茎に、手を広げたような大きな葉。ひまわりの立ち姿は人間を連想させる。佐用町にはひまわりの迷路があるそうだ。延々と広がるひまわり畑、右も左もどこを見ても一面のひまわり。あまりたくさんのひまわりに囲まれたら、私はちょっと怖いな。
そういえば子供の頃、ひまわりと背くらべしたっけ。双葉の頃は小さいのに、あっという間に追い越されて悔しい思いをしたものだ。最近花屋さんの店先には、花束サイズのものが並んでるけど、あんなにちっちゃいのはひまわりって気がしない。やっぱりひまわりは、見上げるくらい背が高くなくっちゃね。
ひまわりの黄色が今日は許せない 美輪
◇後攻・かづみ
ひまわりの黄色 愛したかった人 かづみ
ひまわりには迷いがない。
例えば絵に描く時、数多くある花の中でも描きやすさはダントツだろう。丸の中に網の目を描き、周囲に花びらをあしらえば誰が描いてもひまわりに見える。色は黄色。チューリップのように赤白黄色…と迷う必要がない。
そして季節は、夏。明るく元気な人を「ひまわりのような」と形容することがある。照りつける太陽に負けず咲き誇ることは、元気でなければ出来ない業だろう。
私はひまわりが苦手だ。ひまわりの臆面のない明るさを見ると何故か照れくさい。ずっと見ていると、元気をもらうどころか、吸い取られている気にすらなる。明るく元気であることは良いことだ。だが、あまりにも明確な価値観に満ちていて、ひねくれ者の私には辛いのかもしれない。
夏の暑さが薄れる頃、ひまわりもその役割を終える。桜のようにハラハラと散るわけではない。咲いていたままの顔でがっくりとうなだれる。その時になってようやく親近感を覚えるのだ。
号泣の果ての笑顔かひまわりよ かづみ
（神戸新聞夕刊 2006年8月2日掲載）
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ＨＮ：
美輪＠brownycat
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性別：
女性
自己紹介：
1995年阪神淡路大震災に遭う。同年、時実新子に出合い川柳をはじめる。
「川柳大学」元会員、旧公式ＨＰ管理人。
「ゆうゆう夢工房」会員。
雑誌「現代川柳」編集長。
KCC（神戸新聞文化センター）川柳教室講師、朝日カルチャー芦屋教室川柳講師。
2006年8月より神戸新聞川柳壇選者。
2007年秋よりコープこうべ通信講座川柳教室講師。
2009年4月より甲南カルチャーセンター川柳教室講師。
＊神戸新聞2008/1/1～7掲載「源氏物語千年紀 川柳作家とゆく須磨・明石」はこちら
＊大ちゃんのリンクを守ろう！詳しくはこちら
＊リンクの再開・存続が決定しました。
＊大阪のリンクを守ろう！ 詳しくはこちら
＊存続が決定しました。今後ともご支援ご協力お願いいたします。
＊ここに掲載している川柳作品・文章はすべて私のオリジナルです。著作権法に基づき、無断転載ならびに無断引用は固くお断りいたします。
＊コメントはどうぞ御自由に。トラックバックは仕様により現在は受け付けられなくなっております。
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