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川柳つれづれblog

*毎日の川柳作品の他、大好きなフィギュアスケートやミステリ、本、映画、その他日々の出来事をつれづれなるままに……。

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川柳タッグマッチ(31)「海」

川柳仲間・徳道かづみとタッグを組んでお送りする川柳&エッセイ「川柳タッグマッチ」。
第31回のお題は「海」です。
◇先攻・かづみ

海青しいかなる愛も許される かづみ
 ひと夏だけ海に通ったことがある。同僚がビーチバレーをやっており、そこに誘われたのだ。本格的なチームではなく、仲間でわいわい楽しむものらしい。私は深く考えずに参加した。
 だが、しょっぱなから失敗だったことに気づいた。一日を有効に使うためにと、朝六時集合を言い渡されたのだ。普段の出勤時間よりずっと早い。 
 寝ぼけマナコで車に乗せられ、二時間ほどかけて海に到着した。同僚と仲間達はさっそく練習を始めた。私はボーッとその様子を眺めていた。
 それがつまらなさそうに見えたのか、仲間の一人が気を遣ってビールを渡してくれた。快晴の、風さわやかな海辺でのビールである。私はコットンと眠りに落ちた。
 それでも同僚は毎週誘ってきた。私は毎回ほとんど眠ってばかりいた。誘う方も誘う方だが、断らなかった私も私である。楽しかったのだろうか。青春とは謎が多い。
 今では同僚との音信は途絶えた。だが、その夏の写真には私と彼女が小麦色の笑顔で残っている。
知らなくていいことがある海の泡 かづみ

◇後攻・みわ

西向きの窓から見えた海の色 美輪
 神戸に暮らしていると、海のあるのが当たり前のように思える。しかし海のない県に生まれ育った私にとって、子供の頃は海に行くのは夏休み最大のイベントだった。水着を新調し、浮輪やビーチボールを膨らませたら、気分はすっかりビーチサイド。何日も前からワクワクして、前日はなかなか寝付けなかった。
 初めて泳げるようになったのも海だった。父の漕ぐボートで渡った小さな入り江。魚の泳ぐのが見えるくらい透き通った水に、恐る恐る顔をつけると、体がぷかりと浮き上がった。
 泳ぐことは少なくなったが、今でも海は大好き。泣きたくなったら海へ行く。海辺を歩き、ただ潮風に吹かれているだけで、何となく心が安らぐ。
 水族館も大好きだ。イルカやアシカのショーは、何度見ても飽きない。大きな水槽を悠々と泳ぐ回遊魚やジンベイザメやマンタ。水族館に行くと、子供に返ってはしゃいでしまう。
 時に遊ばせ、時には慰めてくれる海。海は大きなお母さんである。
三つ編みをほどいた先に海がある 美輪

(神戸新聞夕刊 2006年7月19日掲載)

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Re:川柳タッグマッチ(31)「海」
こんにちは、突然のコメント失礼いたします。

川柳250年実行委員会松橋帆波と申します。
川柳250年協賛「第3回オリックスマネー川柳」のノミネート作品が発表されました。
これらの作品の中から一般投票により「MONEY広場賞」を決定いたします。
ご参加いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

http://blog.livedoor.jp/senryu250/archives/50551322.html

Commented on 2007/02/20 Tuesday 20:11:26

by 帆波 | コメント編集

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プロフィール
HN:
美輪@brownycat
性別:
女性
自己紹介:
1995年阪神淡路大震災に遭う。同年、時実新子に出合い川柳をはじめる。
「川柳大学」元会員、旧公式HP管理人。
ゆうゆう夢工房」会員。
雑誌「現代川柳」編集長。
KCC(神戸新聞文化センター)川柳教室講師、朝日カルチャー芦屋教室川柳講師。
2006年8月より神戸新聞川柳壇選者。
2007年秋よりコープこうべ通信講座川柳教室講師。
2009年4月より甲南カルチャーセンター川柳教室講師。

*神戸新聞2008/1/1~7掲載「源氏物語千年紀 川柳作家とゆく須磨・明石」はこちら

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