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川柳つれづれblog

*毎日の川柳作品の他、大好きなフィギュアスケートやミステリ、本、映画、その他日々の出来事をつれづれなるままに……。

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川柳タッグマッチ(30)「哀しい」

川柳仲間・徳道かづみとタッグを組んでお送りする川柳&エッセイ「川柳タッグマッチ」。
第30回のお題は「哀しい」です。

ちなみに「悲しい」「哀しい」「かなしい」それぞれ微妙にニュアンスが違いますね。
私は「悲しい」という字はあまり使いません。特に句の中ではほとんど平仮名の「かなしい」かな。勝手なイメージですが、「悲しい」はかなり激しい、コントロールできないくらいの感情、「哀しい」はじーんと胸をしめつけられるような感情、「かなしい」はやや軽く、ちょっとさみしさに近い感情……なーんて思っております。さて、果たして実際にはその使い分けができているかどうか……?
◇先攻・みわ

恋人と書いてカナシイヒトと読む 美輪
 映画やテレビドラマがハッピーエンドになるのは、何となく物足りない。ややこしい人間関係や難問も、スーパーヒーローが登場してあっさり解決する、そんなアメリカンなお話も悪くないけど、何となく不満に思う。
 古今東西、長く語り継がれるのは喜劇より悲劇が多い。主人公があまりにあまりに幸せだと妬ましくなる。あまりに不幸では気の毒だけど、少しくらいだったらかわいそうなままの方がいい。人間とは実に身勝手で無責任な生き物である。
 我が川柳の師・時実新子先生は「幸せすぎず不幸すぎず、ほどほどの不幸というのが川柳には最適の土壌」と言われる。「幸せいっぱいの作品より『怒』や『哀』の方が共感を呼びやすい」とも。確かに私が他人から評価されるのも、私が共感を覚える他人の作品も、どちらも「ちょっと不幸な句」ばかり。
 読者はみな自分の経験に照らし合わせて、他人の作品を読む。私も、そして私の作品を読むあなたも、みんな「ほどほどに不幸」なんだろうね。
簡単に書いてかなしい感嘆符 美輪

◇後攻・かづみ

かなしみの生命線を深く切る かづみ
“哀しい”という感情は表面張力で保たれる。零れてしまえば楽になるのに、寸前でぷるんと震えて留まる。その危うさが、見ている者を切ない気持ちにさせるのだろう。“哀しげな瞳”に惹きつけられる人も多い。
 私はその中途半端な状態でいることが苦手だ。“哀しい”の状態に陥ると、零れるのを耐えるどころか、自ら決壊させる。だから、哀愁の瞳の持ちようがない。少々残念だ。
 しかし、その決壊を起こすにも手順が必要だ。ただ喚くだけでは惨めな気持ちになる。
夜、キャンドルに火を灯す(蛍光灯ではいけない)。クリスタルのグラス(マグカップではいけない)に、香りの高いスコッチ(焼酎ではいけない)を注ぐ。少しずつ口に含みながら(がぶ飲みしてはいけない)、自分の“哀しい”を噛み締めていく。BGMは中島みゆき。この世で一番不幸な人間だと思い込めば“哀しい”は容易く決壊する。
 その時、観客がいてはいけない。“哀しい”には、拍手もアンコールも不要なものだから。
泣かせてよあんたの洒落た歌声で かづみ

(神戸新聞夕刊 2006年7月12日掲載)

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プロフィール
HN:
美輪@brownycat
性別:
女性
自己紹介:
1995年阪神淡路大震災に遭う。同年、時実新子に出合い川柳をはじめる。
「川柳大学」元会員、旧公式HP管理人。
ゆうゆう夢工房」会員。
雑誌「現代川柳」編集長。
KCC(神戸新聞文化センター)川柳教室講師、朝日カルチャー芦屋教室川柳講師。
2006年8月より神戸新聞川柳壇選者。
2007年秋よりコープこうべ通信講座川柳教室講師。
2009年4月より甲南カルチャーセンター川柳教室講師。

*神戸新聞2008/1/1~7掲載「源氏物語千年紀 川柳作家とゆく須磨・明石」はこちら

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