川柳つれづれblog
＊毎日の川柳作品の他、大好きなフィギュアスケートやミステリ、本、映画、その他日々の出来事をつれづれなるままに……。
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川柳タッグマッチ（２５）「泣く」
川柳仲間・徳道かづみとタッグを組んでお送りする川柳＆エッセイ「川柳タッグマッチ」。
第25回のお題は「泣く」です。
……ちなみに、前回と今回のお題を考えたのはかづみの方です。「遠い」「泣く」どーやら彼女、この頃煮詰まっていたらしい……(^_^;)。
第25回のお題は「泣く」です。
……ちなみに、前回と今回のお題を考えたのはかづみの方です。「遠い」「泣く」どーやら彼女、この頃煮詰まっていたらしい……(^_^;)。
◇先攻・かづみ
泣かないでわたしあなたのママじゃない かづみ
いつから泣かせる側になったのだろう―といっても色っぽい話ではない。職場でのことだ。かつては上司に叱責され、先輩に注意され、トイレでグスグス鼻を噛んでいたのに、今では泣く新人を前に腕組みなどしている。
三、四年前なら、それでもまだ泣かれるとオロオロしていた。だが今では「泣かないでよー。こんな失敗されたら泣きたいのは私の方だよー」と笑顔で追い討ちをかけていたりする。お局サマというのはヤな奴ですね。しかし、何人もの新人に泣かれてくると、その「涙の意味」が見えてくる。真摯な涙もあれば、甘えの涙もあり。
そんな私も日々笑顔で働いているわけではない。コンチクショーと思うこともあり、血の気が引くような失敗もする。だが、泣くよりも先にやらなければならないことがあると学習してきただけだ。
寝る前に、自分の不甲斐なさや能力の無さに涙する夜もある。そんな時は誰もいない暗闇で存分に泣き尽くす。明日「ふてぶてしいお局」として出勤するために。
深夜泣く今日の涙は今日捨てる かづみ
◇後攻・みわ
泣くためにあった私の子供部屋 美輪
子供の頃は泣き虫だった。というよりも、感情がすぐ顔に出る、と言った方が正しい。ちょっとしたことですぐ怒り、よく笑いよく泣いた。
体が弱いくせに気が強く、よく泣く子供はいじめられる。同級生や年上の男の子たちは、何かというとからかって、私が泣いて怒って追いかけてくるのをおもしろがった。そのうち私は簡単には泣かなくなった。泣くからいじめられるんだ。だったら泣かないようにしよう。
そうして泣かなくなったら、今度は「可愛いげのない女」と言われ敬遠される。別れの口実に「君は強いから一人でも大丈夫」なんて言われたり、どうにも損な役回りである。しかし涙を武器にするような、ずるい女にはなりたくない。そう思って強がるのがすっかり身についてしまった。
それが最近、ちょっとしたことですぐ泣くようになった。例えば映画やドラマ。ありがちなパターンと思いつつも、単純な感動ストーリーに涙を流す。…これって、年を取った証拠かしらん。
赤ちゃんになってわんわん泣きましょう 美輪
泣かないでわたしあなたのママじゃない かづみ
いつから泣かせる側になったのだろう―といっても色っぽい話ではない。職場でのことだ。かつては上司に叱責され、先輩に注意され、トイレでグスグス鼻を噛んでいたのに、今では泣く新人を前に腕組みなどしている。
三、四年前なら、それでもまだ泣かれるとオロオロしていた。だが今では「泣かないでよー。こんな失敗されたら泣きたいのは私の方だよー」と笑顔で追い討ちをかけていたりする。お局サマというのはヤな奴ですね。しかし、何人もの新人に泣かれてくると、その「涙の意味」が見えてくる。真摯な涙もあれば、甘えの涙もあり。
そんな私も日々笑顔で働いているわけではない。コンチクショーと思うこともあり、血の気が引くような失敗もする。だが、泣くよりも先にやらなければならないことがあると学習してきただけだ。
寝る前に、自分の不甲斐なさや能力の無さに涙する夜もある。そんな時は誰もいない暗闇で存分に泣き尽くす。明日「ふてぶてしいお局」として出勤するために。
深夜泣く今日の涙は今日捨てる かづみ
◇後攻・みわ
泣くためにあった私の子供部屋 美輪
子供の頃は泣き虫だった。というよりも、感情がすぐ顔に出る、と言った方が正しい。ちょっとしたことですぐ怒り、よく笑いよく泣いた。
体が弱いくせに気が強く、よく泣く子供はいじめられる。同級生や年上の男の子たちは、何かというとからかって、私が泣いて怒って追いかけてくるのをおもしろがった。そのうち私は簡単には泣かなくなった。泣くからいじめられるんだ。だったら泣かないようにしよう。
そうして泣かなくなったら、今度は「可愛いげのない女」と言われ敬遠される。別れの口実に「君は強いから一人でも大丈夫」なんて言われたり、どうにも損な役回りである。しかし涙を武器にするような、ずるい女にはなりたくない。そう思って強がるのがすっかり身についてしまった。
それが最近、ちょっとしたことですぐ泣くようになった。例えば映画やドラマ。ありがちなパターンと思いつつも、単純な感動ストーリーに涙を流す。…これって、年を取った証拠かしらん。
赤ちゃんになってわんわん泣きましょう 美輪
（神戸新聞夕刊 2006年5月24日掲載）
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プロフィール
ＨＮ：
美輪＠brownycat
ＨＰ：
性別：
女性
自己紹介：
1995年阪神淡路大震災に遭う。同年、時実新子に出合い川柳をはじめる。
「川柳大学」元会員、旧公式ＨＰ管理人。
「ゆうゆう夢工房」会員。
雑誌「現代川柳」編集長。
KCC（神戸新聞文化センター）川柳教室講師、朝日カルチャー芦屋教室川柳講師。
2006年8月より神戸新聞川柳壇選者。
2007年秋よりコープこうべ通信講座川柳教室講師。
2009年4月より甲南カルチャーセンター川柳教室講師。
＊神戸新聞2008/1/1～7掲載「源氏物語千年紀 川柳作家とゆく須磨・明石」はこちら
＊大ちゃんのリンクを守ろう！詳しくはこちら
＊リンクの再開・存続が決定しました。
＊大阪のリンクを守ろう！ 詳しくはこちら
＊存続が決定しました。今後ともご支援ご協力お願いいたします。
＊ここに掲載している川柳作品・文章はすべて私のオリジナルです。著作権法に基づき、無断転載ならびに無断引用は固くお断りいたします。
＊コメントはどうぞ御自由に。トラックバックは仕様により現在は受け付けられなくなっております。
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