川柳つれづれblog
＊毎日の川柳作品の他、大好きなフィギュアスケートやミステリ、本、映画、その他日々の出来事をつれづれなるままに……。
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川柳タッグマッチ（２１）「新しい」
川柳仲間・徳道かづみとタッグを組んでお送りする川柳＆エッセイ「川柳タッグマッチ」。
第21回のお題は「新しい」です。
ちなみに掲載されたのは昨年の4月のこと。そういうわけで、私の文章の冒頭にもそう書かれておりますが、まあ気になさらずに……(^_^;)。
第21回のお題は「新しい」です。
ちなみに掲載されたのは昨年の4月のこと。そういうわけで、私の文章の冒頭にもそう書かれておりますが、まあ気になさらずに……(^_^;)。
◇先攻・かづみ
新しい朝だ あなたが横に居て かづみ
ここ数年、我が家の家電製品の寿命が尽きてきている。冷蔵庫は水漏れし、CDコンポは取り出し口が度々ストライキを起こす。ビデオもパソコンも買い直した。だが、一番買い換えたい小型テレビは妙に元気だ。何故だ。世の中なかなか上手くいかない。
先日、電気屋へ赴くと、店内に「新生活を応援します」と書かれたポスターが貼ってあった。
十数年前に一人暮らしを始めた。実家から持って出たのは少しの衣類と二十冊ほどの本。それが当時の私の全財産だった。
何もない部屋で、私はワクワクしていた。未知の土地での新しい生活。何もかもが、ただただエキサイティングだった。
代わり映えのしない生活を続けていると、どうにも心が重くなる。電化製品を買うにも、手間と出費にうんざりしながら出かけたのだ。
家電売り場で冷蔵庫を選ぶ女の子を見かけた。真剣な目付きにキラキラした期待が浮かんでいた。新生活を始める子だったのだろうか。今の私には彼女の瞳が眩しかった―。
新緑の淡き正義に黙礼す かづみ
◇後攻・みわ
新しい言葉を探す風の街 美輪
春、四月。陽射しも穏やか、風もさわやか、草や木の緑もやわらかい。
この時期になると、なぜか新しい服が欲しくなる。街に真新しい背広やスーツのぎこちないフレッシュマンがあふれ返っているからだろうか。
しかしここ数年、選ぶ服の形も色もだいたい決まってしまっている。好みがはっきりしてると言えば聞こえはいいが、要は無難なところに落ち着いてしまうのだ。
この歳になると、十代二十代の頃と違ってあまり冒険はできない。うっかり派手な服を買ったはいいが、よーく考えるとどこにも着て行けない、というのは避けたいところ。で、悩んだ揚句買って帰ったら、家にあるのと代わり映えのしない服でがっかり、ということもしばしば。我ながら何とも小心者であることよ。
それでも「新」と付くだけで、何となく新鮮に思えるから不思議だ。さして高価な物でなくても、去年と代わり映えがしなくても心が弾む。
明日あたり、ブティックに足を向けてみよう。新しい私に会うために。
新しい出会いを待っている種だ 美輪
新しい朝だ あなたが横に居て かづみ
ここ数年、我が家の家電製品の寿命が尽きてきている。冷蔵庫は水漏れし、CDコンポは取り出し口が度々ストライキを起こす。ビデオもパソコンも買い直した。だが、一番買い換えたい小型テレビは妙に元気だ。何故だ。世の中なかなか上手くいかない。
先日、電気屋へ赴くと、店内に「新生活を応援します」と書かれたポスターが貼ってあった。
十数年前に一人暮らしを始めた。実家から持って出たのは少しの衣類と二十冊ほどの本。それが当時の私の全財産だった。
何もない部屋で、私はワクワクしていた。未知の土地での新しい生活。何もかもが、ただただエキサイティングだった。
代わり映えのしない生活を続けていると、どうにも心が重くなる。電化製品を買うにも、手間と出費にうんざりしながら出かけたのだ。
家電売り場で冷蔵庫を選ぶ女の子を見かけた。真剣な目付きにキラキラした期待が浮かんでいた。新生活を始める子だったのだろうか。今の私には彼女の瞳が眩しかった―。
新緑の淡き正義に黙礼す かづみ
◇後攻・みわ
新しい言葉を探す風の街 美輪
春、四月。陽射しも穏やか、風もさわやか、草や木の緑もやわらかい。
この時期になると、なぜか新しい服が欲しくなる。街に真新しい背広やスーツのぎこちないフレッシュマンがあふれ返っているからだろうか。
しかしここ数年、選ぶ服の形も色もだいたい決まってしまっている。好みがはっきりしてると言えば聞こえはいいが、要は無難なところに落ち着いてしまうのだ。
この歳になると、十代二十代の頃と違ってあまり冒険はできない。うっかり派手な服を買ったはいいが、よーく考えるとどこにも着て行けない、というのは避けたいところ。で、悩んだ揚句買って帰ったら、家にあるのと代わり映えのしない服でがっかり、ということもしばしば。我ながら何とも小心者であることよ。
それでも「新」と付くだけで、何となく新鮮に思えるから不思議だ。さして高価な物でなくても、去年と代わり映えがしなくても心が弾む。
明日あたり、ブティックに足を向けてみよう。新しい私に会うために。
新しい出会いを待っている種だ 美輪
（神戸新聞夕刊 2006年4月12日掲載）
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プロフィール
ＨＮ：
美輪＠brownycat
ＨＰ：
性別：
女性
自己紹介：
1995年阪神淡路大震災に遭う。同年、時実新子に出合い川柳をはじめる。
「川柳大学」元会員、旧公式ＨＰ管理人。
「ゆうゆう夢工房」会員。
雑誌「現代川柳」編集長。
KCC（神戸新聞文化センター）川柳教室講師、朝日カルチャー芦屋教室川柳講師。
2006年8月より神戸新聞川柳壇選者。
2007年秋よりコープこうべ通信講座川柳教室講師。
2009年4月より甲南カルチャーセンター川柳教室講師。
＊神戸新聞2008/1/1～7掲載「源氏物語千年紀 川柳作家とゆく須磨・明石」はこちら
＊大ちゃんのリンクを守ろう！詳しくはこちら
＊リンクの再開・存続が決定しました。
＊大阪のリンクを守ろう！ 詳しくはこちら
＊存続が決定しました。今後ともご支援ご協力お願いいたします。
＊ここに掲載している川柳作品・文章はすべて私のオリジナルです。著作権法に基づき、無断転載ならびに無断引用は固くお断りいたします。
＊コメントはどうぞ御自由に。トラックバックは仕様により現在は受け付けられなくなっております。
＊コメント書き込み後にリロードされますと、投稿がダブってしまいますのでご注意ください。コメントを読みたい方は、お手数ですがいったんブラウザを閉じるか、トップページに戻ってから改めて記事の「Comment」をクリックしてください。
＊コメントの削除は管理人以外できません。削除ご希望は管理人にお申し出ください。
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「ゆうゆう夢工房」会員。
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2006年8月より神戸新聞川柳壇選者。
2007年秋よりコープこうべ通信講座川柳教室講師。
2009年4月より甲南カルチャーセンター川柳教室講師。
＊神戸新聞2008/1/1～7掲載「源氏物語千年紀 川柳作家とゆく須磨・明石」はこちら
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